相続税は原則として「現金一括納付」が基本ですが、納税資金が足りない場合は「延納」または「物納」が認められています。本記事では両制度の仕組みと申請方法を解説します。
延納とは?
相続税を分割払いできる制度。最大20年間の分割が可能(一般的には5〜10年)。延納期間中は利子税がかかります。
延納の条件
- 相続税が10万円超
- 金銭で一括納付が困難
- 担保を提供(100万円以下&延納期間3年以下なら不要)
- 申告期限までに申請
利子税率
遺産の不動産割合と財産種類で年1.2〜6.0%(2026年現在)。低金利時代は特例利率が適用され実質1〜2%程度。
物納とは?
相続税を不動産・株式などの現物で納付する制度。延納でも納税が困難な場合に限り認められる「最後の手段」。
物納の優先順位
- 第1順位:国債、地方債、不動産、上場株式
- 第2順位:非上場株式
- 第3順位:動産
物納できない財産(管理処分不適格財産)
- 抵当権が付いている不動産
- 境界が不明確な土地
- 共有不動産(持分のみ)
- 売却見込みのない不動産
物納の審査は厳しく、認められないケースが多いのが実態。
延納と物納の比較
| 項目 | 延納 | 物納 |
|---|---|---|
| 納付方法 | 現金分割払い | 現物納付 |
| 追加負担 | 利子税 | 譲渡所得税の課税なし |
| 申請の難易度 | 普通 | 厳しい |
| 適用順序 | 先に検討 | 延納でも困難な場合のみ |
納税資金不足を防ぐ事前対策
- 生命保険の活用:受取人を相続人にして納税資金確保
- 計画的な不動産売却:相続前に流動性を高める
- 延納を見越した担保準備:抵当のない不動産を確保
- 事業承継税制の活用:株式相続税の納税猶予
まずは概算で納税額を把握
延納・物納の申請は税理士に依頼
延納・物納は申請書類が膨大で、判断も難しい制度。申告期限内に申請しないと使えないため、早めに税理士に相談を。
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よくある質問(FAQ)
Q1. 延納の途中で完納できる?
はい、いつでも繰り上げ完済可能です。利子税の負担を減らせます。
Q2. 物納に出した不動産はどう評価される?
相続税申告時の評価額(路線価ベース)で物納されます。市場価値より一般的に低めなので、物納より売却の方が有利なケースもあります。
Q3. 申告期限を過ぎてからでも延納申請できる?
原則として申告期限内(10か月以内)の申請が必要です。期限後は延滞税のリスクが大きくなります。
本記事は2026年4月時点の制度に基づきます。


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