生前贈与には「暦年贈与」と「相続時精算課税」の2制度があります。2024年の改正で両者の特徴が変化し、選び方も変わりました。本記事では使い分けの判断基準を解説します。
2制度の基本比較
| 項目 | 暦年贈与 | 相続時精算課税 |
|---|---|---|
| 非課税枠 | 年110万円 | 累計2,500万円+年110万円(2024年〜) |
| 超えた額の税率 | 10〜55%(累進) | 一律20% |
| 使える年齢制限 | なし | 贈与者60歳以上、受贈者18歳以上の直系卑属 |
| 相続時の扱い | 3〜7年以内分のみ持戻し | 全額が相続財産に加算(年110万円分は除く) |
| 制度の切り替え | 暦年→精算は可 | 精算→暦年は不可(一方通行) |
2024年改正のポイント
- 暦年贈与の持ち戻し期間が3年→7年に段階的延長
- 精算課税にも年110万円の基礎控除が新設(毎年使える)
- 精算課税の年110万円分は相続財産に加算されない
→ 精算課税の使い勝手が大幅に向上。新規贈与には精算課税が有利になるケースが増加。
暦年贈与が向いているケース
- 贈与者がまだ若い(60代前半まで)
- 長期間の継続的な贈与を計画
- 受贈者が孫や法定相続人以外(精算課税は使えない)
- 資産規模が大きく、毎年110万円超の贈与をしたい
精算課税が向いているケース
- 贈与者が高齢(70代以上)
- 値上がりしそうな資産(株式・不動産)を早めに移転したい
- 2,500万円までの大型贈与を一度に行いたい
- 事業承継のための株式贈与
具体的な使い分け例
ケース1:60歳の親、60歳までに5,000万円贈与したい
→ 暦年贈与+孫・複数受贈者で分散がベスト。長期計画で大幅節税可能。
ケース2:80歳の親、評価額2,000万円のアパートを子に
→ 相続時精算課税で一括贈与。贈与時点の評価額で相続時に精算されるため、将来値上がりしても相続税は据え置き。
まずは概算で全体を把握
制度選択は税理士に相談を
精算課税は一度選ぶと暦年に戻せないため、選択は慎重に。税理士のシミュレーションを受けてから判断するのが安全です。
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よくある質問(FAQ)
Q1. 精算課税にすると毎年確定申告が必要?
2024年改正で年110万円以下の贈与なら申告不要に。それを超える贈与をした年は申告が必要です。
Q2. 暦年贈与の7年持ち戻しは強化前の贈与にも適用?
2024年1月以降の贈与から段階的に延長。それ以前の贈与は3年持ち戻しのまま。
Q3. 兄弟姉妹間でも精算課税は使える?
いいえ、精算課税は親・祖父母から子・孫への贈与のみが対象(直系卑属)。兄弟間贈与は暦年贈与のみ可能。
本記事は2026年4月時点の税制に基づきます。


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